こんにちは、LEALEA＆AURA SPAの管理栄養士です。

コスメや食品でよく見かける売り文句、『無添加』『オーガニック』の表示。見たことがあるかと思います。
何となく体に良さそうな印象を受ける言葉ですが、具体的な意味や、それぞれの違いをご存じでしょうか？

無添加やオーガニックは、それぞれ意味が異なるもの。
その意味を理解して、何となく良さそうだな、という印象で選んできたものを、正しく選べるようになっていきましょう！

ずばり、無添加とオーガニックの違い

早速ですが、「無添加」と「オーガニック」、これらの違いは何でしょう。
何となく、「自然由来なもの」という印象があるかもしれませんが、しかしこの二つは確かに異なるものです。

実は曖昧な「無添加」

「無添加」には、実は明確な定義がありません。
化学薬品や、添加物といった特定の物質が使用されていないことを意味しています。

ここでいう特定の物質とは、例えばコスメや食品の見た目を良くするための着色料や、香りを良くするための香料、保存のための防腐剤や保存料、そして栄養価を高めるための添加物などが挙げられます。
同種の製品には通常添加物が使用されている、という場合、その一般的な添加物を使用していない場合には無添加と表示して良い、とされています。
例えば、「よその会社の製品では着色料が当たり前に使われているタイプの製品」に、「着色料を使用していないが、香料は使用している製品」は、『無添加』の表記をすることができるのです。

ただし、この「無添加」は、結局何が添加されていないのかは分かりません。
「無添加」は「添加物や化学物質の類を一切使っていない」という意味を指すわけではなく、「何が添加されていないのか」という点において、「無添加」という言葉は非常に曖昧な表現である、といえます。

「オーガニック」とは

一方で、「オーガニック」はどうでしょうか。実はこちらには明確な定義があり、『有機栽培で生産された農産物や農産加工品』を指すものとなります。

有機栽培とは
有機栽培とは、化学肥料や化学農薬を使用せず、有機肥料（植物性・動物性の有機物を原料とする肥料のこと）のみで育てる栽培方法です。

農林水産省の定める条件を満たし、「有機JAS認定」を取得したものだけが、「オーガニック」を名乗ることができます。
有機JAS認定についての農林水産省のページは下記になります。

https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

”有機JASマークは、太陽と雲と植物をイメージしたマークです。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料、畜産物及び藻類に付けられています。”（引用：農林水産省HP）

無添加とオーガニックについて、その内容や違いは分かりましたか？

しかし、実はこの「違い」にはさらに続きがあります。
皆さんは、無添加やオーガニックといった言葉をどこで見たことがありますか？

食品で見たことがある、という他に、よく使われているのが「コスメ」です。
この、コスメに使われるときと食品に使われるときとで、「無添加」と「オーガニック」は、それぞれ少しずつ内容が異なっています。ここからは、その違いを紹介していきましょう。

コスメで使われる、「無添加」と「オーガニック」

コスメの「無添加」

無添加のコスメとは、着色料や香料、界面活性剤などの『石油由来』の化学物質・化合物が含まれていないものを指すことが多いです。
ただし、先述の「無添加」の定義通り、『あらゆる添加物が一切使用されていない』ことを保証するものではありません。その為、「香料無添加」「防腐剤無添加」など、「何が無添加なのか」の表記をすることが望ましい、とされています。

コスメの「オーガニック」

コスメに使われるオーガニックという言葉は、『オーガニック製品を使用して作られた製品』を指します。日本では原料内におけるオーガニック成分の割合などに決まりはなく、一部だけでもオーガニック成分が使用されていれば「オーガニックコスメ」を名乗ることができるのが現状です。

すなわち、オーガニックコスメだからと言って化学物質や化合物が使用されていない、無添加である、ということはできません。

食品で使われる「無添加」と「オーガニック」

食品における「無添加」

食品における「無添加」や「不使用」という表示の使用については、食品表示法やこの法律に基づいて定められている「食品表示基準」で更に厳格な基準が設けられています。

無添加という表記を使用するためには、「その製品に使われることが一般的な添加物」を使用していないことは勿論、食材の栽培から生産、加工までの全ての過程において使用されていないことが条件になっています。

こちらもコスメ製品と同様に、どのようなものが無添加なのかが分かるように、「●●無添加」と具体的に示すことが望ましいとされています。

日本食品添加物協会は、「無添加」「不使用」という表示があることで、同様の表示のない商品よりも安全であるという誤解を与える可能性があるとして、単なる「無添加」という表示は自粛するべきである、との見解も示しています。

食品における「オーガニック」

オーガニック食品に関しては、「有機栽培で生産された農産品、農産加工品」と、定義が明確です。農林水産省の定めた条件を満たし、有機JAS認定を取得していることが条件になります。

ただし、その条件には使用が認められている農薬がありますので、「オーガニック食品＝無農薬」とは限らないことに注意しましょう。

添加物は「悪」？

人体に悪影響を与える農薬や添加物は、国によって厳しく規制されています。曲品やコスメなど、人の体内に入れたり、直接肌に触れたりするものへの使用は禁止されています。

使用が認められているものは、基本的にその影響が非常に小さく、通常の使用であれば無視できるものであると考えられていることを思えば、添加物を悪として「絶対に使われていないものを」と探すことには、大きな意味は無いかもしれません。

ただ、今までは使用が認められていたものが、研究が進んだ結果発がん性があることが分かり、使用が禁止されることもあります。また、海外では人体への悪影響を理由に禁止されている物の中でも、日本では使用可能という添加物も存在します。

直ちに大きな悪影響が無いとしても、人体への影響が無いと断言することは難しい農薬や添加物。できるだけ摂取しないようにしたい、と考えるのはおかしい事ではありません。
そんな時に参考になるのが、「無添加」「オーガニック」という表示でしょう。

紹介させて頂いた通り、「無添加の表記＝添加物が使われていない」わけではなく、「オーガニック＝無農薬」だという訳でもありません。
安全なコスメや食品を選ぶためには、これらの表示の意味を知り、商品名や表記に惑わされず、原材料表示をしっかりと確認することが大切です。

さいごに：まとめ

最後に、今回のコラムの内容をまとめて締めくくりたいと思います。
少し長いコラムになりましたので、ここでおさらいしていってくださいね。

「無添加」とは、化学薬品や添加物などの内、特定の物質を使用していないものを指します。
「オーガニック」は、有機栽培で生産されたものを指し、特に食品に関しては農林水産省による『有機JAS認定』を取得したもののみが名乗ることができるものになります。

ただし、無添加という表記は曖昧なもので、無添加だからといって全ての添加物が使われていない、という訳ではありません。また、オーガニックの表記資格である有機JAS認定の中には、使用が認められている農薬も存在します。

安全な商品を選ぶために、これらの表示を手掛かりにしつつも、その意味をしっかりと理解し、またこの表示だけではなく、原材料表示を確認した上で選ぶようにしましょう！

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