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五月病を「マインドフルネス」で予防しよう!

五月病を「マインドフルネス」で予防しよう!

平年よりも早い桜の開花が見られたこの春、皆様いかがお過ごしでしょうか。

この4月より新しい環境、新生活になられた方もいらっしゃるかと思います。
今日は、新天地で新たな生活をスタートさせた方々へ、頑張りすぎないコツ、また五月病対策に繋がるお話をさせていただきたいと思います。

五月病とは?

「五月病」という言葉は、俗称であり医学的な病名ではありません。
文字通り5月のゴールデンウィーク明けに起こる無気力感や軽い抑うつ状態を指して言います。

具体的には、気分の落ち込み、不安感、食欲不振、睡眠障害などをきたし、病院へ行けば「適応障害」や「うつ病」などの診断が下ることもあります。

4月から始まった新生活に慣れ始めてきたはずのこの時期に何故、適応障害や抑うつ状態が起きやすいのか、そのメカニズムを簡単にお話したいと思います。

ストレスと疲労の関係

環境が変わり、慣れない場所で初対面の人と接したり、新しいことを覚えてルーティン化するには誰しも多少なりともストレスを感じることと思います。
「ストレス」と一口に言うと、世間では悪者のように思われがちですが、実はそうでもありません。

厳密に言うと「ストレス」は大きく2要素に分けることができ、「ストレス源(ストレッサー)」があり、それに対しての「ストレス(ストレス反応)」と考えるとわかりやすいかと思います。
ストレス源の種類には物理的要因、化学的要因、心理的要因、社会的要因などが挙げられます。

5月病に関わってくるものと言えば、恐らく「心理的要因」や「社会的要因」などのストレス源が多く、それに対してのストレス反応が起こるのだと思いますが、実はこの時のストレス反応が精神的な疲労感を紛らわせてくれている、ということはご存じでしたでしょうか。

本来なら慣れていない生活のため、疲労が蓄積しているはずなのに、まるでエナジードリンクを飲んだ時のように疲労感を忘れさせ、活動欲を高めてくれる、それが「ストレス反応」なのです。
外敵が現れた時、恐れを奮起に変え生き抜いてきた人類の防衛本能ともいえるでしょう。

こう聞くと、ストレスもあながち悪いものではないんだなぁと思われるかもしれませんが、ここで注意していただきたいのは、感じなくなっているのは本人が感覚として持っている疲労感のことであり、実際の肉体の疲労は溜まる一方であるということです。
これが後の問題となってくるわけです。

疲労とうつ病の関係

2020年、慈恵会医科大学の研究グループによってあるウィルスの遺伝子が発見されました。

「SITH-1遺伝子」と名付けられたそのウィルスは、鼻と脳を隔てた嗅球という場所に感染し細胞を死滅させ、脳をストレス状態にさせることが判明したのです。
つまり、このウィルスがうつ病の危険因子であることが証明された、ということになります。

しかもその「SITH-1遺伝子」は私たちが幼少期にほぼ100%感染し、体内に持ち続けているヒトヘルペスウィルス6に存在しているというのです。

皆さんもご存じの、疲れているときに口元に水疱ができる、あのヘルペスです。
疲労が蓄積し、体内環境が悪くなると、ヘルペスウィルスは体外に逃げ出そうと唾液などに出てきます。その際にSITH-1遺伝子が嗅球に感染する、ということらしいのです。

そもそもうつ病は疲労を蓄積させると発症しやすくなると言われていましたが、そのメカニズムが明らかになったと言えるでしょう。

どうやらうつ病は心の弱さが原因なのではなく、疲労によって誘発されているようです。
そしてその疲労は、ストレスによって感じにくくなるということ。

「どっと疲れが出た」なんてよく聞きますが、それがまさにストレス反応によって自覚のないまま疲労を貯め続けていた、そして何かの拍子にストレス源が取り除かれたとき、初めて自分の体に溜まっていた疲れを実感した瞬間と言えるでしょう。
ストレス源という暗幕がパッと外され、明るくなって初めて目に飛び込んでくる疲労という景色…
ずっとそこにあったのに、暗幕一枚を隔てていたために見えていたかった、といったところでしょうか。

疲労を蓄積させないために

五月病に話を戻しますと、新しい環境でのストレスによって、疲れを感じないまま走り続けられたとしても、いつかそのストレスの効力は落ちてきます。
休息が追いつかずエネルギーを使い果たしてしまったり、また環境に慣れてくるとともに、ストレス反応としての活動欲が薄れていったり・・・。
そしてちょうどその頃に訪れるゴールデンウィークという長期休暇は、張りつめていた緊張を緩ませる絶好のきっかけとなるでしょう。そして初めて自分の疲労に気づくのかもしれません。
場合によっては、すでに簡単には回復できないくらいの疲労を貯め込んでいた、という状況にもなりかねないということです。
疲れによりSITH-1遺伝子が脳細胞に悪影響を及ぼそうとしていたなら、頭の中では不安のループが始まり、そこから抜け出しにくい認知の歪みに発展してしまうかもしれません。うつ状態です。

そうならないためにも皆さんには是非、今のうちからストレスというものをきちんと理解し、気づきにくい疲労を貯め込まない生活習慣を身に着けていただきたいと思います。

疲労を貯めないコツは、ただやみくもに体を休めるのではなく、実は軽く運動したほうが返って良い場合が多いのはご存じでしたか?

全身の関節を動かし、筋肉を収縮させることで血流、リンパの流れが促進し、体内の疲労物質の分解が進むというわけです。ほどよい疲労感により睡眠の質もUPすることでしょう。

脳疲労を取って睡眠の質をUP

また、質の良い睡眠のためには、脳疲労も解消していきたいところです。
思考は私たちが体を休めているときほど過去や未来に彷徨いやすく、その状態をデフォルトモードネットワークといい、脳疲労を起こす要因ともされています。
例えたくさん眠ったとしても、脳疲労が解消されていないままだったとしたら、睡眠の質は低く、疲労回復もあまり期待できないかもしれません。

では、体を横たえても休まらない脳は一体どのようにして休息させたらよいのでしょう。

脳を休息に向かわせるにはマルチタスクからシングルタスクにすること、つまり「今ここ」に意識を向ける「マインドフルネス」がお勧めです。

過去や未来のことは置いておいて、今この瞬間を何の評価も判断も入れず、ただあるがままをみつめる「マインドフルネス」です。

そのやり方は一般的に取り入れられている瞑想や座禅でも良いですし、日常の動作を今ここに集中しながら行うだけでも充分効果はあります。

しかし、運動とマインドフルネスが良いのであれば、一度に両方やってしまうという手もあります。それがヨガです。


体の動きに集中することで、脳はマルチタスクからシングルタスクになり、マインドフルな状態になります。

体も脳も疲労回復につながる一石二鳥のやり方です。何より忙しい現代人には効率的です。

また、体を動かしていてもつい思考がさまよっててしまう方には、マインドフルネスに特化したヨガプログラム「マインドフルネス・ヨガセラピー」というものもあります。マインドフルになりやすいガイドと共に簡単な動きをゆっくり丁寧に繰り返すだけのヨガです。

更に詳しいお話、かんたんに実践できるマインドフルネスヨガをAURA SPA無料オンラインセミナーで毎月開催しています。どなたでもお気軽にご参加くださいね。

文/石井及子日本ヨガメディカル協会

参考文献
・近藤一博 ほか 「うつ病は心の弱さが原因ではない」2021年 河出書房新社
・近藤一博 ほか 「疲労ちゃんとストレスさん」2020年 河出書房新社

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