新年!「今年こそは〇〇しよう!」と新たな決意をする方はたくさんいらっしゃると思います。
しかしながら、2月にもなると、段々とその決意もどこへやら・・・ということが多いのではないでしょうか?
新習慣を固定化するには66日
ロンドンのキングス大学の健康心理学者ベンジャミン・ガードナー博士が、新しい習慣を66日間続けることによって、特に意識しなくても持続的な習慣となるという研究結果を「イギリス医師会ジャーナル」に発表しています。
66日というのは、あくまでも平均値で、新しく定着させようとしている習慣の難易度によっても、短くなったり、長くなったり変わってくるということです。(たとえば、朝食後に腹筋を50回するという習慣よりも、歯を磨くという方が難易度は低いので、30日で習慣化するかもしれません。)
習慣のループ
新しい習慣を身に着けるプロセスに「習慣化のループ」と呼ばれるものがあります。
これはマサチューセッツ工科大学の研究者の理論ですが、あらゆる習慣は、「きっかけ」「習慣」「報酬」という3つの核のループでできあがっているというものです。
たとえば、会社の帰りに(きっかけ/ある習慣的行動を誘発する引き金となること)毎日カフェに行って甘いカフェオレを飲む(習慣)、ほっとする(報酬)。これがループとなり繰り返されることにより、さらに習慣化が強まるということです。
悪習を断ち切るための気づき
けれどもその後、「無駄遣いをしてしまった。」とか、「カロリーの高いものを飲んでしまった。」と自己嫌悪に陥って、この習慣を変えたいと決心したとします。
この決心を成功へと導くには、まず、カフェに吸い込まれてしまうという行動を引き起こしている本当の「きっかけ」に気づくことです。
この例では会社帰りというのが一見、きっかけのように見えますが、もっと掘り下げると、単に体が糖分を求めているだけかもしれないし、ただ帰宅前にストレスを解消する何かが必要なだけなのかもしれません。もしくは、そのどちらでもないのに、ただ習慣的にカフェに寄ってしまっているのかもしれません。
そのようなことに気づいて、飴をなめてみるとか、ちょっと遠回りだけど別の緑の多い小道を通ってみるとか、いつもとは違う行動パターンを一定期間続けてみることで、古い習慣を新しい、より好ましい習慣に脳の回路を書き換えるのです。それによって、会社の帰りに(きっかけ)毎日、緑の小道を通って帰る(新習慣)、節約と運動とダイエットと気分転換(報酬)という新しいループができあがります。
最近の研究で脳は何歳になっても、新しい情報に対して変化し、適応するということがわかってきています。これを「脳の可塑性」と言います。私たちには、変われる力があるのです。
気づく力を向上させるヨガ
ところで、この行動変容のプロセスでヨガができることが、「きっかけ」と「習慣的行動」の間にある「気づく力」を向上させることです。
そもそも習慣や癖は、ほぼ無意識に取っている行動ですから、なかなか気づくことは難しいです。
ヨガ、特に呼吸とともにゆっくりとマインドフルに動くヨガでは、身体の内側の感覚(心拍のスピード、空腹感・筋肉の弛緩と緊張、心のざわつきや鎮静)や思考に目が向いて行くようになり、気づく力が鍛えられていきます。
たとえば上記のカフェの例で言えば、職場を出てカフェのドアを開けるまでの間に、自分の心と体のありように気づき、意識的に、違う行動を選ぶことができるようになってきます。
ホロコーストを生き抜いた著名な心理学者ヴィクトル・フランクルがこんなことを言っています。
「刺激と反応の間には、空間があります。その空間には、私たちが反応を選択する力があります。私たちの反応の中に、成長と自由があります。」
さらに、今、心理学や神経科学の世界で大きな注目を浴びているスティーブン・ポージェス博士は、呼吸とともに行うヨガは、強く、しなやかで、柔軟な心を鍛える効果があると述べています。
私たちが提供しているヨガセラピーは、正に、呼吸を通して心と体にアプローチして心身の気づきの力を高め、レジリアンスを高めていくヨガです。そして、結果的に、それが体の変容にもつながっていくことでしょう。
更に詳しいお話や具体的な手法についてAURA SPA無料オンラインセミナーでもご紹介しています。ぜひご参加くださいね。
文責:村松 由美子(日本ヨガメディカル協会)
AURA SPA リラックス特集