魚のちから！「EPA」って何？中性脂肪を下げるメカニズムと摂取のポイント │ ライフスタイルコラム

皆様こんにちは！　LEALEA＆AURA SPAの管理栄養士です。
今回は、「魚の油」についてお話していきます。

1. 魚の油とは？
2. 体に良い脂肪、悪い脂肪
- 2.1. 体に悪いとされる脂肪酸
- 2.2. 体に良いとされる脂肪酸
3. 魚に含まれる成分・EPAとは何か
4. 中性脂肪を下げるのに効果的？EPAが作用するメカニズム
5. EPA摂取のポイント
6. さいごに
7. ◆リンク集

魚の油とは？

今回お話する魚の油とは、エイコサペンタエン酸（EPA）と呼ばれるものです。不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸の一種で、昔に「魚を食べると頭が良くなる♪」と歌われた際に有名になったドコサヘキサエン酸（DHA）とはまた別のものになります。

……と言われても、「？」が浮かんでしまいますよね。エイコサペンタエン酸、だなんて名前を覚えるのも大変そうです。まずは、このEPAについてを知る前に、脂肪酸の「脂肪」について知っていきましょう。

体に良い脂肪、悪い脂肪

最初に、EPAとは脂肪酸の一種だ、と書きました。では、脂肪酸とは何のことでしょうか。

脂肪酸は、炭素、水素、酸素分子などが特定の構造で結びついた化学物質のこと……というと小難しく見えてしまいますが、一言で表すならば「あぶら」です。ごま油やコーン油などと言われるものがあるように、植物にも含まれていますし、もちろん魚を含め動物にも含まれています。

それぞれに種類があり、脂肪酸にはその数だけ特徴があります。

さて、「脂肪」なんて言葉を聞くと、ダイエットには大敵で体に悪そう、と思われがちですが、どんなものも良い所と悪い所があります。「これは体に良い」「こっちは悪い」と分けられるものではなく、そしてもちろん体に良い効果が大きいものでもいくら食べても良いわけでもありません。反対に、体に悪い効果が大きいものであっても、完全に排除しなくてはいけないわけでもありません。

体に悪いとされる脂肪酸

さて、一般的に体に悪いと言われやすいあぶらには、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸があります。

肉や乳製品、卵、加工食品、インスタント食品、お菓子など様々なものに含まれていますが、摂り過ぎると血管の硬化などを引き起こしやすくなると言われています。

体に良いとされる脂肪酸

また、一般的に体に良いと言われるのが不飽和脂肪酸。化学構造の違いによって「オメガ３系・６系・９系」などと分類されることもあり、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸（DHA）、そしてエイコサペンタエン酸（EPA）などがあります。

先述の通り、これらは体に良いと言われやすいものですが、それでも摂り過ぎても健康に問題がないわけではありません。例えばオメガ6系の脂肪酸は、摂り過ぎると心臓の病気になりやすくなる、と言われています。

魚に含まれる成分・EPAとは何か

エイコサペンタエン酸（EPA）は、オメガ3系不飽和脂肪酸の一つです。オメガ3系不飽和脂肪酸には、このEPAの他にもDHAやα-リノレン酸などがあります。

EPAやDHAは魚に多く含まれるとされ、サバやイワシなどの青魚や鮭などにも含まれています。魚やアザラシなどが食事に多いイヌイットは、脂肪を沢山食べているにも関わらず心臓に関する疾患が非常に少ないことでEPAに注目が集まりました。エゴマ（荏胡麻）やアマニ（亜麻仁）といった植物に含まれるα-リノレン酸は、体内で一部がEPAに変化すると言われています。

中性脂肪を下げるのに効果的？EPAが作用するメカニズム

EPAは、肝臓から血液中に中性脂肪が出ていくことを防ぎ、また血液中の中性脂肪が消えていくことを促進します。これによって、中性脂肪を減らす働きがあると考えられています。肝臓の内部にある中性脂肪にも効果があるとされています。

中性脂肪は体の大事なエネルギー源にもなる反面、動脈硬化の元凶とも言われており、多すぎると悪影響を及ぼします。

中性脂肪値が高い場合には、肉の脂身や乳製品、卵黄の摂取を避け、EPAを多く含む青魚などの食品を心がけて摂取することが大切です。

EPA摂取のポイント

EPAは中性脂肪を下げると言われていますが、しかし魚のあぶらを摂り過ぎると、げっぷや吐き気、鼻血、軟便などの悪影響が出る可能性があります。

青魚を食べる際には、焼いたり煮たりといった調理中にあぶらが流れ出てしまうこともあります。生に近い状態で食べることであぶらの流出は防止できますが、食中毒には注意しましょう。

また、サプリメントでの接種はお手軽で効率が良い方法ですが、アメリカのFDA（日本の厚生労働省と似た公的機関）によると、サプリメントからの摂取はDHAとEPAを合わせて1日2gを超えないようにとされています。
また、血液がサラサラになる効果があるため、手術を控えていたり、血液が元々固まりにくい持病を持っている方、血液がサラサラになるための薬を既に服用している方には向かない場合もあります。

EPAを含む薬屋サプリメントを使用する場合は、吸収効率を良くするために、油を含む食事と一緒、もしくは食事の直後に摂ることが勧められています。