LEALEA(レアレア)|サポート付スポーツジム

LEALEA フィットネス&スパ レアレア

感情の法則を知って心のレジリエンスを高めよう

感情の法則を知って心のレジリエンスを高めよう

異例の猛暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょう。
4月より新しい環境に入られた方は7月を迎え、その生活にもすっかり慣れてペースが掴めたという方もいれば、ストレスが溜まりに溜まって疲弊している、という方もいらっしゃるかもしれません。

今日は心のしなやかさ=レジリエンスを高める考え方についてお話をしたいと思います。

鈍感力とレジリエンスとHSP

2010年、一冊のベストセラーにより世間にインパクトを与えた「鈍感力」という言葉、皆様は覚えていますか?
著者である渡辺淳一医師は「シャープで鋭敏なことが優れていると世間では思われているが本当にそうなのか?」と自身のエッセイに鈍感であることのすすめをしたためました。

この「鈍感力」という言葉、近年良く耳にする「レジリエンス」と大変似ているのですが両者を比べてみるとこうなります。

鈍感力 ⇒ 些細なことで揺るがない鈍さ

レジリエンス ⇒ 適用能力、跳ね返す力、弾力性


いずれも強さを表している言葉ですが、厳密にいうと鈍感力は「そもそも気づかない」、レジリエンスは「一度気づいてから回復する」という若干の違いがあるようです。

それに対して、こちらもまた近年良く話題に上る「HSP」という言葉。
これは「ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)」の略で「鈍感力」「レジリエンス」とは対極にある状態を指して言います。
具体的には、先に述べました渡辺淳一医師の言う「シャープで鋭敏なこと」が過ぎてしまえばHSPと言えるのではないでしょうか。
その特徴は、刺激を受けやすい、共感性が高く気づきやすい、などとなります。

このHSPは生まれ持った性質であり、決して精神障害などに分類されるものではありません。
ただ人より気づきやすい性質であるために、標準的な考えの人よりもストレスを貯めやすかったり、生きにくさを感じたりするものとして、心理学者のエイレン・アローン博士が1990年代初めより提唱し始めた概念です。
一見新しい概念のように思えるのですが、実は歴史は繰り返すもので、それ以前にも同じようなことがありました。

今から100年前、時代は20世紀初頭。
アメリカでは文明の発展により、精神的苦痛を訴える新しい病が発症しました。
それに対してアメリカのジョージ・ビアードという神経学者が「神経衰弱」という診断名をつけ、その病はのちに日本にもやってくることになります。大正時代のことでした。
一人の少年が「神経衰弱」「心臓神経症」と診断を受けます。
心臓病と思い込んでは検査してみるも、どこも悪いところはない。あなたは神経衰弱ですと言われ、学業にすら励むことができなくなっていました。

そんな少年は自らの実体験をもとに、のちに偉大な精神科医となり「森田療法」という精神療法を考案します。
彼こそが森田療法の創始者、森田正馬です。
森田療法は彼が初代精神科教授を務めた慈恵会医科大学が発祥の地とされる日本古来の精神療法で、現代でも多くの人々の心を救っています。

森田療法の考え方

この森田療法において、森田正馬はこのような考えを持っていました。
「森田療法とは「神経質」に対する精神療法。「神経質」は「神経衰弱」と重なる部分が大きい」
つまり、「神経質」な状態に陥っているだけで「神経衰弱」という病気ではないと一線を画していたということです。
エイレン・アローン博士が提唱するHSPと同じく、ひとつの性質として「神経質」という言葉を用いていたのと同じように 。

では、本題に戻りまして

レジリエンスを高めようという話ですが、果たしてHSP、神経質タイプの人が鈍感力を身に着けたり、レジリエンスを高めて辛さから脱することはできるのでしょうか。
答えは「YES」です。
アローン博士や森田正馬が言うように、気づきやすいということは病気ではなくただの気質、特徴であるので、治す必要がないということ。
更にはその気質を活かせば新たな才能にすらなる、というのが森田正馬の考えです。

そんな森田療法には「感情の法則」というものがあり、それを理解し応用することで、気づきやすさを安易に不安に向けるのではなく、建設的な行動に活かしていく。
このことでレジリエンスが高まり、気づいては跳ね返せるようになり、更には鈍感力が育成され、はなから気づきにくい性質に変わることも可能となるのです。

そんな感情の法則の主要なものをご紹介しましょう。

感情の法則とは

感情の法則1:感情はそのまま放任すれば山形の曲線をなしひとのぼりしてついには消失する
感情の法則2:感情はその衝動を満足すれば急に静まり消失する
感情の法則3:感情は同一の感覚に慣れれば鈍くなり不感となる
感情の法則4:感情はその刺激が継続して起こる時と注意を集中するときに強くなる
感情の法則5:感情は新しい経験によってこれを体得し、その反復によりますます養成される

※「神経質の本態と療法」森田正馬著・白揚社より抜粋

これらを応用することで、気付きを客観視し、感情を解放し、昇華させ、流動的に感情を流し、健やかさを保つことができるようになります。


落とし込みが難しい?

ただし、理解や落とし込みには時間がかかります。
読んで一瞬は納得できても、それを実生活に落とし込んだり、その考えを継続させたり、考え方の癖を修正していくには継続が必要となります。そしてこれらは、思考だけでは落とし込みにくいというデメリットがあるのも事実です。
なので、今日はこんな提案をしたいと思います。

ヨガと森田療法を併せる。

体と心は繋がっているのです。
感情の法則を応用したガイドでヨガを行っていくと、体で感じたことを心に落とし込みやすくなります。
そもそもヨガ哲学と森田療法、更にはマインドフルネス、これらには共通点が多いのです。
「あるがまま」「今ここ」「客観視」。
これはヨガクラスでよく耳にする言葉ですが、森田療法やマインドフルネスにおいても重要なキーワードとなる概念です。
ただやみくもにヨガクラスを受けるのではなく、より一層これらの哲学を大切にしたヨガを意識づけるだけでも、心は楽になっていくはずです。

更に詳しいお話、かんたんに実践できるマインドフルネスヨガをAURA SPA無料オンラインセミナーでご紹介しています。ぜひご参加くださいね。

文/石井及子日本ヨガメディカル協会

AURA SPA リラックス特集

Mindカテゴリの最新記事

事例紹介 ライフスタイルコラム セミナー/体験会/イベント 見学お申込み