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生きやすさに繋がる「ネガティブ・ケイパビリティ」のすすめ

生きやすさに繋がる「ネガティブ・ケイパビリティ」のすすめ

ネガティブ・ケイパビリティ
不確実なものや未解決のものを受容する能力

 「問題解決能力」を重視する現代社会

皆さんは「結末のはっきりしない映画」というのはお好きですか?

観た人によってどのようにも捉えることのできる結末。
何通りもの解釈ができる結末。
確実な答えのない結末。

恐らく「苦手」という方が多いのではないでしょうか。
よっぽどの映画マニアでなければそのような結末ではスッキリしない、はっきりして欲しいと感じるかと思います。

そもそも人間には「知りたい」「解決したい」という欲求が備わっているようです。
その証拠に、人類はあらゆることに対して「知りたい」を発揮し「解決したい」という思いから文明を発展させてきました。

現代ではインターネット、スマートフォンの普及により、わからないことがあればすぐに検索し、答えを得ることが可能です。情報伝達にも時間を割くことなく多くのことを時短、即解決できるようになりました。

また教育の現場では「問題解決能力」を育て上げることが主となっています。

問題解決能力が高く、安心安全な社会を手に入れるのと同時に、私たちは避けようのない「答えの出ないものに対しての受容力」というものを手放しつつあるのかもしれません。

そしてその価値観は少なからず私たちに生きにくさを与えている、そんな気がしてなりません。

なぜなら、いくら文明が発展しようとも、世の中が便利になろうとも、私たちが生きていく中で「未解明のもの」「答えのでないもの」は決して無くなることはないからです。

「答えの出ないもの」とは 

ではどのようなものがそれにあたるのでしょう。

ここ数年でいうと、見えない未知のウィルスCOVID-19との闘いがずばりそのものです。
3年経った今でこそ、ワクチン開発が追いつき、ウィスルそのものの弱毒化もありやっと収束が見えてきていますが、2020年始めごろに初めて世界中がロックダウンした際には先の見えない未来に多くの人が狼狽、疲弊したかと思います。

また、有事の時以外にも「答えの出ないもの」はあります。
私たちの寿命です。
どんな技術をもってしても確実な答えが出るものではありません。
人生100年時代を迎えた今、いつまで働き続けたらよいものか、貯蓄をどれだけ蓄えたらよいのやら、使ってよいのやらと悩む高齢者が増えています。

また、人間関係においても「答えの出ないもの」はあります。
パートナーやお子さんをただ信じて待つことはできますか?友人や仕事相手に不満を感じた時はどうでしょう?

話し合いを設けたとしてもそれで必ず意思疎通ができるとも限りません。言葉を呑み、険悪になることを避け、宙ぶらりんのままを過ごした経験のある方も少なくないと思います。

みなさんはこのような「答えの出ない時間」は得意ですか?苦手ですか?

ネガティブ ケイパビリティ

今から200年ほど昔、イギリスのロマン主義の詩人ジョン・キーツが「不確実なものや未解決のものを受容する能力」として「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を使いました。

キーツは「偉人たちには全ての物事が解決できるものではないということを受け入れる能力がある」と信じていたのです。そしてその概念は、100年以上の時を経て、精神科医に発掘され少しずつ医療の現場に応用されるようになりました。

医療現場においては、病状が不安定な患者、余命宣告を受けた患者、すべての治療をし尽くした患者には、解決しようと躍起になることよりも、ただ「答えの出ないもの」に寄り添い続ける姿勢を求められる時があるのです。その受容力が「ネガティブ・ケイパビリティ」。
一方、これに対して問題解決能力のことを「ポジティブ・ケイパビリティ」と呼んだりもします。

この「ネガティブ・ケイパビリティ」は前述を踏まえると、医療現場だけに必要とされる概念ではないということはもうお分かりいただけますね。
私たちが生きていくうえでは、問題解決能力だけではなく、「答えの出ないもの」を受け入れ、寄り添い続ける能力もとても大切である、ということです。

ネガティブ・ケイパビリティを発揮できていれば・・・、コロナで緊急事態宣言が出たあの時、必要以上に家族といがみ合うこともなかったかもしれない、抑うつ状態にならずに済んだかもしれない、寿命を気にして神経質になることを手放せるかもしれない、答えを出してくれない相手に不機嫌になったりせず、人間関係を良好に保てるかもしれない・・・ということなのです。

ただ受け入れることの難しさ

医療現場で広まってきた「ネガティブ・ケイパビリティ」ですが、裏を返せば「何もしない自分を責めない能力」でもあります。

「もっと良い治療法があるのでは」「もう少し楽になってもらえるのでは」という思いを手放すということは、一歩間違えれば「諦め」という錯覚を起こし「無力な自分を責める」ことにもなりかねないのです。
そのたびに医療者が落ち込んでいては患者に寄り添うことすらできなくなってしまいます。しかし、患者の立場になってみると側にいた人々が自分から離れていってしまうこと、孤立することが一番辛いのです。

医療者は時として、患者に「何もしない自分を責めることなく、ただ寄り添い続けること」だけを求められることもあります。

ここまで深刻な状況ではなくとも、私たちの身近な日常生活に置き換えた場合、答えを求めず受容することは、決して容易ではないということが想像できますでしょうか。
結末のはっきりしない映画を見た時のように・・・。

ネガティブ・ケイパビリティを高めるヨガ・マインドフルネスのすすめ

受容することの難しさを理解したうえで、実際に「ネガティブ・ケイパビリティ」を高めるにはどうしたらよいかの話に入っていきます。

もちろん、これまでの話を読み、理屈を知って理解するのも一つの手です。
世間では「問題解決能力(ポジティブ・ケイパビリティ)」ばかり求められるけれども、時には「不確かなものを受容する力(ネガティブ・ケイパビリティ)」も大変重要であるということ。

しかし、理屈は理解できても、心や体がついていかないことは充分にあり得ます。
心身共に深く落とし込むには、自分に理屈を言い聞かせるだけでなく「ヨガ」や「マインドフルネス」の実践をお勧めします。

ゆっくり丁寧にヨガポーズ行ってみたり、今ここに思いとどまるマインドフルネス瞑想で静かに自分と向き合うことで、意識せずとも「待つ」こと、「ただ受け入れること」ができる心の在り方が自然と身につくはずです。

更に詳しいお話、かんたんに実践できるマインドフルネスヨガをAURA SPA無料オンラインセミナーで毎月開催しています。どなたでもお気軽にご参加くださいね。

文/石井及子日本ヨガメディカル協会

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