『糖質ゼロ』は『ゼロ』じゃない？脂質と糖質、どっちを減らす？ │ ライフスタイルコラム

皆さんこんにちは、LEALEA＆AURA SPAの管理栄養士です。

最近では、スーパーやコンビニエンスストアなどで「糖質ゼロ」と書かれた食べ物や飲み物を見かけることが増えましたね。皆様も、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。そんな糖質ゼロ製品、どんなものなのかはご存じですか？　「カロリーが低い」や、「ダイエットに良い」等、漠然としたイメージを持っている方が多いのではないかと思います。

しかし、「糖質ゼロ」とは、食品表示基準に定められた、定義を持つ食品表示の一つです。

今回は、「糖質制限」などの言葉でもよく知られる糖質についてと、糖質に関わる「糖質ゼロ」について、詳しくお話していきます！

1. 糖質とは？
2. 糖質/糖類ゼロ食品とは？
3. 糖質ゼロより脂質ゼロ？
4. さいごに
5. ◆リンク集

糖質とは？

そもそも、糖質とは何でしょうか。
「糖質制限ダイエット」とも言われるくらいですから、身体に悪いもの？　減らせるなら減らせる限り減らした方が良い？　そう思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそんなことはありません。体にとって、とても大切なものです。

糖質は、体を動かしたり脳を働かせたりするのに使われます。これだけでも、とても重要なものだとお分かりいただけるのではないでしょうか。糖質がなくなると、体も頭も動かせなくなってしまうんですね。

もう少し詳しく見てくと、糖質は【糖類】と【糖アルコール】に分類されます。
糖アルコールは甘味料の一部であり、体内で消化吸収されにくく食品加工に優れた性質があるため、低カロリー甘味料として使われています。
では、もう一つの糖質である「糖類」は何でしょうか。糖の最小単位である単糖（ブドウ糖や果糖など）と、それらが二つ合わさった状態の二糖（ショ糖、乳糖など）を、それぞれまとめて「単糖類」「二糖類」と呼びます。この単糖類と二糖類の総称が糖類になります。

糖質/糖類ゼロ食品とは？

この「糖質や糖類の摂取量を減らしていきたい」というのは、ダイエットにとって死活問題。
そんな時に目にするのが、「糖質ゼロ食品」や「糖類ゼロ食品」ではないでしょうか？

「ゼロ」、いかにも上で糖質や糖類が入っていなさそうな名前をしていますが、実は言葉通りのゼロではありません。

例えば「糖類ゼロ」の場合、食品100g当たり（飲料については100ml当たり）に含まれるこれらの糖類が0.5g未満であれば、「糖類ゼロ」と表示することができます。なので、一般的なものと比較して少ないことは間違いありませんが、文字通りのゼロではありません。糖類を使わない代わりに、糖アルコールを使っていることもありますね。

糖アルコールを使った食品は、低カロリーで甘味を出すことが出来てとても便利ですが、しかし糖質ゼロやカットといった文言に目が行って量を多く摂りがちになってしまう人も。ゼロではないものですから、少ないはずだったカロリーも積み重なって結局逆効果に……ということも起こります。
また、キシリトールなどが有名ですが、大量に摂取するとお腹が緩くなってしまう場合があることにも注意が必要です。

ゼロではないと言っても少ないことは事実なので、摂取量をうまく調節していけると良いですね。

糖質ゼロより脂質ゼロ？

カロリーは主に糖質か脂質、そしてたんぱく質から摂取されます。となると、カロリーを抑えようと思ったときには、どれを制限した方が良いのか、気になりますよね。「脂質が多い食品はカロリーが高い」というイメージが強い方も多いのではないでしょうか。

確かに、脂質が多く含まれている食品のカロリーは高くなります。
そもそも、カロリーとは『その食べ物や飲み物がどれだけ体のエネルギーになるか』を表す、『エネルギー量の単位』です。それぞれ、1g摂取することで得られるカロリーは決まっています。

それが、脂質1gで9kcal、炭水化物（糖質）1gで4kcal、たんぱく質1gで4kcalという量です。

1g当たりのカロリーを比較すると、脂質が明らかに多いことが分かります。その量、実に2倍以上。
体内に摂取されたカロリーはエネルギーとなり、体を動かしたりすることに使われます。しかし、エネルギーに変換して使いきれなかった脂質は、「中性脂肪」として体内に蓄えられるため、多く摂り過ぎると肥満や生活習慣病の原因になってしまいます。

また、摂取量を同じだけ減らしたときに最も効果が大きいのも脂質。糖質ゼロ食品よりも脂質ゼロ食品を選ぶことで、効率良く摂取カロリーを減らすことができます。更に、糖質制限と比べると筋肉量を維持しやすく、その結果リバウンドしにくいといった利点が挙げられます。